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印刷の歴史、未来

印刷のはじまり

印刷は、一体どこから来たのでしょう。

それは大昔、西暦105年頃(日本ではまだ弥生時代の中頃)に中国で樹皮や麻などを使って紙が作られました。
それまでは、獣の皮や木簡、竹簡に字を書いていたようです。
この製紙方法は、現在の和紙の作り方にも通じています。
その後、中国に仏教が伝来し、宋の時代には木版印刷が隆盛を迎えます。

活版印刷の登場

一方、昔のヨーロッパでは聖書などは口頭で布教したり、手書きで書写していました。
そこで、もっと簡単に聖書を広めたいと発明されたのが、中世(1450年頃)ドイツのグーテンベルグの活版印刷です。
金属の活字を作りそれを組版して印刷する方法です。

それまで、金属の活字は考えられていたようですが、グーテンベルグは鉛と錫をメインとした合金を開発し精度の高い文字、融解温度も低くて、取り扱い易くて画期的でした。
活版印刷は、羅針盤、火薬とともに世界三大発明と呼ばれています。
この発明で、飛躍的に聖書は広がり、ルネサンスや宗教革命に大きな影響を与えたと言われています。

ただ、この活版印刷は日本をはじめ東洋では広がりを見せませんでした。
その理由は漢字・ひらがななど文字の種類が余りにも多かったからです。
アルファベットの比ではありません。
そのため、日本では江戸時代が終わるまで、木版が中心となりました。
瓦版をイメージして頂けると分かりやすいと思います。


また、ヨーロッパでは、次々と新しい技術が開発されて行きます。
現在のグラビア印刷につながる銅版を削った凹版や、平版の登場です。
とは言え、活版印刷方式は近代にまで続いていきます。
映画「フーテンの寅さん」のタコ社長の印刷会社がまさにこれです。

金属の文字を組み上げる事、その文字も大量に必要である事がネックでしたが、現在でも活版で印刷された名刺などは印刷時に文字に凹凸ができ、風合いと味は根強い人気があります。

活版印刷から平版印刷へ

昭和の中頃までは凄い勢いであった活版印刷でしたが、徐々に平版印刷に取って代わられます。
石灰石の板にイタズラ書きをして消そうとした所、油が水をはじいて形が残りました。
この水と油の関係を利用して印刷を考えたのが、平版印刷の始まりだそうです。

現在の石版(リトグラフ)につながって行きます。
当時、石灰石の板を使用していたため、大変に重かったのが難点だったようです。

近代に入ると写真が開発されました。
ガラスなどの平滑性のある板に感光剤を塗り、画像を残す方法です。
徳川慶喜・坂本龍馬などの写真が有名ですね。
そして写真技術は日々どんどん進化して行きます。

写真技術の進化と共に、何とか印刷に使えないものかと考えられました。
それを可能にしたのが、イーストマン・コダック社のコンタクトスクリーンでした。
このスクリーンを通すことで、連続調子の写真画像を網点に変換できたのです。
現在では当たり前の網点印刷です。
日本では大日本スクリーン製造がコンタクトスクリーンの製造に成功しています。

また、元々はガラスなどで扱いにくかった写真ですが、フィルムの登場で飛躍的に広がって行きます。
現代に向かってダイレクトカラースキャナーの発明(コンタクトスクリーンが不要に)、アルミ・PS版の進化など印刷の発展は取り上げるとキリがありません。
そして現代、遂に、Macが登場します。

モノクロの時代からデジタル時代へ

Macが登場するまでの流れはどうだったのでしょうか?
まず、クライアントから印刷の発注があるとデザイナーがラフを作り、その内容に沿って写植屋さんが文字を打ち、版下台紙を作成します(白黒の印画紙です)。

それにデザイナーが色指示を行い、写真は製版会社がスキャナーし文字の色分け・写真の貼り付けなどはレタッチ部門の手作業で行いフィルムを作成。
色校正を上げてクライアントに提出、訂正が入れば再度フィルム作成し、校了後にPS版を作成、印刷にかかっていました。
このように多くの人の手で印刷物が作られていたのです。モノクロの時代と言われています。

Macの登場でデジタルの時代に移行されていきます。
Illustratorで簡単に文字が打てますし、色分けも付けられます。
デジタルカメラの普及で1台数千万円していたスキャナーも不要になりました。
簡単に画像の補正も出来てしまいます。
バージョンもどんどん上がり、スピードでイライラする事もなくなりました。
多くの人手が要らなくなった事でコストダウンにもつながりました。

デジタルデータをイメージセッターからPS版に出力(フィルムが不要に)、印刷に回す事が可能となりました。
そればかりか、デジタルデーターから直に印刷される事( PS版が不要に)もどんどん増えています。
また、印刷通販のようにインターネット上にデータをアップし、より早く、より安価に印刷する事も益々増えてきています。

そして明日へ

印刷の未来はどうでしょうか?

チラシや請求書など、どんどんデジタルデータ化し、スマートフォンなどで十分になってきており、印刷は無くなりつつあります。
製紙会社が紙を造らなくなったり、フィルム会社がフィルム製造から撤退したり、私達を取り巻く環境はどんどん変化しています。

SDGSの観点からも大量印刷・大量消費・大量配送の時代は終わったと言って良いでしょう。
紙を大切にすることは、森林を大切にすること。
次の世代に自然を残し、持続可能な発展を続けていかなければなりません。

逆にその分、印刷物1枚1枚の価値は上がってきている言えます。
デザイン・戦略を考え、クライアントのブランディングにも大きな力となります。
無くなって行くもの、必要とされるものとの区別化がより鮮明となり、付加価値の高い印刷物が増加して行くと考えます。

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