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貼箱(貼り箱) 

前回のコラムでさまざまな箱の形状を紹介しました。

https://kyoto-erg.jp/column/2600/

そこで今回は「貼箱」について、少し深掘りしてみようと思います。

貼箱とは

貼箱

そもそも貼箱とはどんなものでしょうか。
厚紙の芯材で形作られた箱に、印刷や加工を施した貼紙を貼り付けてつくる箱のことをいいます。
よく目にする組立式の箱よりも強度があり、折り目などもないので見た目が綺麗になり高級感を持たせることのできる箱になります。

一般的には「身蓋式」「インロー式」などが主流で、蓋と身でそれぞれ箱が分かれていることが特徴的です。
インロー式ではさらに内箱が付いており、内箱の色を変えて違ったアクセントを効かせてみたり、紙を変えてみたりなど様々なパッケージデザインの選択肢も広がります。

貼り箱 身蓋式
身蓋式
貼り箱 インロー式
インロー式

他にも「ブック式」「スリーブ式」といった形状や「引き出し式」といった、少し特殊なタイプもあったりします。

貼り箱 ブック式
ブック式

貼箱の作られ方ですが、厚紙(芯材)を型抜きし箱の土台となる生地を用意します。
またその生地に貼り合わせるための貼紙(薄紙)も同時に用意します。
専用の糊で貼紙を生地に貼り合わせて内側に向け折込めば貼箱となります

貼箱の歴史としては、手作業が一般的だった時代は価格的にもかなり高価な箱でした。
厚紙がなかった時代は杉板などで箱を作り、貼紙は千代紙などの和紙を貼って作られていました。
明治時代以降にチップボールなどが生産され始めると、ボール紙に和紙や洋紙を貼って作る貼箱が生産され、その後白ボールの開発とともに機械化への動きが進みます。

今では機械での製造が主流となり、手加工での製造は減少していますが、京都には昔ながらの貼箱屋さんとして製造を続けておられる所もあります。

貼箱が選ばれる理由

様々な箱の中でも抜群のクオリティを持つ貼箱。
なぜ他の形状の箱ではなく貼箱が選ばれるのでしょうか。
いくつかの要素があるかとは思いますが、やはり商品に対して価値を高めることができ、商品の満足度の向上につなげられるといった点が大きいのではないでしょうか。

組箱等とは違い使用できる用紙の幅が広がることや、加工の幅も広がります。
オリジナリティあふれるパッケージの制作が可能になります。
ビジュアルのよさを強調できたり、箱としての強度を上げるなど商品を保護する点から見ても、他の形状に比べ優れています。

また高級感のあるパッケージをご希望される方にはやはり一番貼箱が合っているかと思います。
先述したように、多種多様な紙の中から用紙を選定することができ、印刷や加工(箔押し・表面加工)などにおいて付加価値を高めながら製造することができます。
よく貼箱を利用されるシーンとしては、和・洋菓子のパッケージ化粧品関連、贈答品パッケージなどで目にするかと思います。
商品自体が質の高いものや高価なもののケースにおいては、箱としてしっかりしている(丈夫)点や高級感を出せる点から選ばれるケースが多いです。

今後の展望

商品の価値をさらに高めることができる貼箱。
ギフト需要がやはり大半を占めていて、今後もその需要がなくなることは恐らくないので引き続き必要とされていくでしょう。
しかしながら、SDGsなどの観点から貼箱に限らずあらゆるパッケージの存在の意義を見直されている転換期に差し掛かっていたり、少し前からにはなりますが、紙ベースからWeb媒体へと情報の伝達方法が変わってきたりと周りを取り巻く環境がめまぐるしく変化している時代です。

ただその中でも、貼箱を作るための印刷や加工技術なども日々進化しており、より付加価値の高い商品も今後も提供していけるでしょう。
様々な技法などを駆使して、世界に一つだけのオリジナルな貼箱を作ってみてはどうでしょうか。

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